11月は子どもの着物姿が微笑ましい七五三がありますね。
七五三に食べる千歳飴は、「長寿を連想させる縁起物」として知られています。
飴は引っ張るとどこまでも伸ばせることから、「細く長く、いつまでも健康で長生きしてほしい」という、子どもへの願いが込められているそうです。
飴といえば、皆さんは「ちょっとだけなら」「口寂しいから」とキャンディやキャラメルなどを間食の代わりに食べることはありますか?
もし心当たりがある場合は、通常よりも「むし歯リスクが高い状態」ですので、要注意です!
◆ひとつでも当てはまったら要注意!
「甘いものばかり食べているとむし歯になりやすい」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、実際にむし歯が発症するのは、
(1)細菌
(2)糖分
(3)歯質
(4)時間
これら4つの要因が揃ったとき。
つまり、甘いもの(糖分)を控えるだけではむし歯予防としては不十分なのです。
より確実に予防効果を高めるためには、4つの要因すべてを意識することが、とても重要になってきます。
◆要因1.細菌
プラークは細菌の塊です!
私たちのお口の中には、さまざまな種類の細菌が存在しています。
それらの菌の中にはむし歯の原因になるものも含まれており、もっとも有名なのが『ミュータンス菌』という細菌です。
よく『むし歯菌』と言われるのもこの細菌で、「お口に残った食べかす」などに入り込んで増殖します。
このときに出す「ネバネバとした物質」が歯に付着してプラーク(歯垢)になります。
そう、プラークとは単なる食べかすではなく『細菌の塊』なのです。
ミュータンス菌を減らすために大切なこと。
それは、お口の中を清潔に保つことです。
丁寧なブラッシングでプラークを除去し、ミュータンス菌が増えないようにしましょう!
◆要因2.糖分
むし歯菌も甘いものが大好き!
ミュータンス菌は増殖する際、『糖分』を餌に増殖します。
実はこのとき、ミュータンス菌は『酸』を作って吐き出しますが、この酸によって歯の表面が溶かされてしまう状態がむし歯なのです。
疲れているときや、お菓子が大好きな方はついつい甘いものを食べてしまいがちですが、砂糖が多く含まれる「キャンディ」や「ケーキ」はむし歯になりやすいため要注意です。
おやつには、砂糖が使われていない「おせんべい」や「クラッカー」といった、糖分が少なく、お口の中に残りにくいものがおすすめです。
◆要因3.歯質
子どもの歯を強い歯に!
「むし歯になりやすいかどうか」は人によって異なります。
「磨かなくてもむし歯になりにくい人」や、反対に「丁寧にケアしているのにむし歯になる人」。
この違いが生まれる要因のひとつが『歯質』です。
歯質は「遺伝によるもの」や、「お母さんのお腹の中にいたときの栄養状態」が関係している、といわれています。
しかし、「カルシウム」や「ビタミン」などの栄養を乳幼児期からバランスよく摂ることで、将来作られる永久歯の歯質を強くすることができます。
◆要因4.時間
『間食』は『むし歯のもと』!
歯は食事のたびに、むし歯菌によって溶かされる『脱灰(だっかい)』という現象と、だ液によって修復される『再石灰化(さいせっかいか)』という現象を繰り返しています。
ところが、食後の歯みがきが不十分だったり、間食が増えたりすると、「むし歯菌が活発な時間」が長くなります。
すると、いずれ修復が間に合わなくなり、むし歯になってしまうのです。
食後にしっかりと歯を磨き、間食を控えることは、歯を守る大切な条件。
特に、「乳歯」や「生えたばかりの永久歯」は歯質が弱く、むし歯になりやすいので注意深くケアしましょう。
しかし、セルフケアにも限界があり、どれだけ丁寧に行っていても、磨き残しやむし歯ができることもあります。
そこで重要なのが数か月に1度の定期検診です。
定期検診では、歯みがきでは取れないプラークの除去やむし歯のチェックを行います。
皆さんの歯を守っていくためにも、定期的なご来院をお待ちしております。